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高山弁護士のニュース時評

 

裁判員制度を考えるM〜裁判員裁判体験記5

はじめての裁判員裁判 判決は、12月10日午後3時に予定されていました。その直前、1 時間延びるという連絡が入りました。  結局、言い渡しは4時20分からでした。待っている間、悪い予感が しましたが、結論は弁護人が主張した執行猶予付きの判決でした。 判決翌日の報道によると、評議が白熱し、言い渡しの時間が遅れたと のことです。  また、判決後、6人の裁判員と補充裁判員2名の全員が記者会見に臨 み、判決について、「被害者、被告双方のためになるように考えた」と 述べたそうです。  市民が参加することによって、刑が重くなる、重くなったと指摘する 人もいますが、必ずしもそうではないと思います。  各地の例をみても、事案の性格、内容を見極め、被告人の立ち直り (更生)もふまえた判決もあります。この事件もそうでした。裁判員、 裁判官には敬意を表したいと思います。 判決のあった日の数日後、Aさん親子とご遺族のお一人が面談し、A さんが直接謝罪する場に立ち会いました。ご遺族から、Aさんに対し、 心のこもった励ましの言葉をいただきました。  忘れられない一コマでした。                     弁護士 高 山 利 夫



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