1. 岡根弁護士のぼやき論壇

岡根弁護士のぼやき論壇

イノシシ対策に妙案は?(銃刀法)

今年の夏頃から、毎朝わんこの散歩に行っている標高116メートルの小さな丘にイノシシが出没するようになった。直接目撃したことはないが、散歩仲間(わんこの名前は知っているが飼い主は知らないような関係)は、結構目撃しており、茂みに入り鉢合わせしたことから、20針も縫わないといけない怪我を負ってしまったわんこもいる。

 

朝晩がイノシシの活動時間ということのようで、毎日朝晩丘に散歩に来られる方は、このところ長さ1メートル、太さ5センチくらいの棒をもってきている。イノシシに出くわした時にせめてもの防御用の武器にもなる杖だ。

ところで、役に立たないかもしれないが、サバイバルナイフなどを持って行けば少しは安心か、と思う。しかし、すぐに思い浮かぶのは、銃刀法違反等の「犯罪」となるか、ということだ。

そして、答えは、犯罪となってしまう、ということになる。

なので、イノシシからの護身用にナイフを持ち歩くと、犯罪だと言われかねない。なんか、納得がいかない。

 

銃刀法を見てみると、あれを一読してどういうことが犯罪になるのかわかる人はいないだろう。それほど訳がわからない規定になっている。

刃渡り15センチ以上の刀ややりは、時代劇などを思い浮かべると何となくイメージできるが、刃渡り5.5センチ以上の剣、あいくち等は、どこまで含むんだかよくわからない。しかも、刃渡りが短くて銃刀法には反しない場合でも、軽犯罪法等には当たってしまう可能性がある。

所持すること自体が、禁止されていることもあって、例えば、包丁を買って持ち帰る、ということも、形式的には犯罪に当たってしまう。

台所で使う包丁などを、家で持っていてまさか犯罪になるとは考えないが、店から買って持ち帰る行為などを含め規定だけなら含まれてしまうのです。

最近はやりのオートキャンプなど屋外で調理する為に、ナイフなどを持っていることも、「正当な理由」があるから犯罪とされないだけで、実は、犯罪には該当する行為となる。

 

何とも恐ろしい法律だ。常識的な取り締まるべき範囲を超えてしまっているのではないだろうか。

 

ちなみに、うかつに、梱包された包丁を店で取り出しすぐに使える状態で、車に載せて持ち帰ったりすると、禁止された刀剣類の所持に当たるので「逮捕」できることにもなりかねない。家で使うまでは、すぐには使えないように、梱包しておいたりしておく必要があるようだ。

すごく非常識な気がするが…

 

で、イノシシ用にナイフを持ち歩くと、「護身用」すなわち「攻撃目的有り」となり、「正当な理由」は認められにくいから(不当)逮捕の理由にもなったりする。困ったものだ。

どうせ山の中でばったりイノシシにであったら、慌てふためいて逃げるだけだろうから、ナイフなんて持っていても意味ないんだろうけど、気持ち的にはなんか欲しいな。

 

裁判員裁判初体験

8月30日から強盗殺人罪を中心とした裁判員裁判が始まった。初めて裁判員裁判の事件で弁護人をすることになった事件だ。(明日9月2日判決言渡)

30日は、午前は裁判員の選任手続き。弁護人の方は、最初から裁判日程があることがわかっているので、4日間の日程を合わせて他の予定を入れないようにしているからいいが、選ばれる裁判員は大変だと思う。中身を言うわけにはいかないので割愛するが、4日間午前9時過ぎから午後5時まで拘束されるわけだけれども、選ばれなかったら、最初の1日だけ。予定を組むにも、1日だけかもしれないし、4日になるかもしれない、というのは、自分に置き直すとつらいだろうと思う。もっと長くなることもあるんだから、もっと大変だ。

でも、そんな今まで刑事裁判に関わったこともないような感覚を、被告人の利益になるように活かしていきたい。

2日目、しかし、それにもかかわらず、裁判「官」は相変わらず、旧態依然とした「調書」ばかり重視する。

うんざりした。

捜査段階の調書の方が、法廷での供述より「理路整然として、迫真性があり・・・」 検察官もそのように主張していたが、そんなことは当たり前だ。

調書とは、まさに捜査官が「調べて」「書く」から調書なのであり、捜査官の作文なのだ。捜査官が、有罪の証拠としようとしている調書が、「理路整然」としていなかったりするわけがないではないか。そもそも、調書はあたかも被疑者がすらすらと答えたような一人称の文章になっているが、そんなに流れるように話をしているはずがない。法廷では、たどたどしかったのに、捜査段階では、すらすら話していた、なんてことあるわけがない。調書に記載された内容は、被疑者が話した内容そのものではないのだ。そんなことは、検察修習中実感したのではないのか。

実際は、被疑者を密室で取り調べ、捜査官が、被疑者が話している内容はこうだろうと租借して捜査官が作った文章で、捜査の段階で被疑者が本当はどう言っていたかなんか全く明らかにならない。一問一答ならまだしも・・・

やっぱり可視化(取調の様子を最初から最後までビデオ撮影し、疑問のある時は後に検証できるようにする制度)が不可欠だ。

今日は、弁論まで、初めてペーパーを見ずに弁論をやったが、冷や汗のかき通し。最初の20秒で、次に言うことが出てこなかった時には、正直どうしようかと思った・・・

つくづく思いました。話術の長けている人は特だなぁ。

で、裁判官はほとんど下を向いていたけど、裁判員の人は、結構目があって話ができました。やっぱり職業裁判官だけに任せておくのは、絶対に良くない、つくづく思いました。

 

相続の順番(順位)

相続は、財産のある人にしか問題になりません。ただし、財産と言っても、プラスの財産もあれば、マイナスの財産もあります。要するに、借金も相続の対象ですから、相続放棄の手続きをせずに、ぼんやりしていたら、負債だけ残った!ということにならないように注意する必要があります。

 

 プラスかマイナスかはともかくとして、誰が相続人になるのか、これは、相続の基礎ですから、知っておいて損はないと思います。

 相続人として、名前があがっているのは、配偶者、子、直系尊属(普通は親です)、兄弟姉妹(「けいていしまい」と読むようです)です(民法887、889条)。

 このうち、配偶者は常に相続人になりますが、子、親、兄弟姉妹は、順番があり、子どもがいれば、親や兄弟姉妹は相続人にはなれません。被相続人に、子どもがいない場合に親が相続人になり、両親や祖父母などがいない場合にはじめて兄弟姉妹が相続人になります。

 子どもは、被相続人の死亡時に胎児であっても生きて生まれれば相続人です(886条)。

 この相続の順番は、配偶者の相続割合に影響します。

 子どもがいる場合は、配偶者と子どもは2分の1ずつで、子どもが複数いる場合には、子どもどうしの間は平等なので2分の1を子どもの頭数で割った割合になります。

 子どもがいなくて、親が相続人になるときは、配偶者は3分の2で、親は3分の1です。両親健在の場合は、半分ずつですから6分の1ずつとなります。

 子も親(その他の直系尊属も含めて)もいない場合で、兄弟姉妹が相続人になる場合には、配偶者は4分の3、兄弟姉妹は4分の1です。複数いれば、頭割りになるのは、子や親の場合と同じです。

 配偶者は、日本の法律の下では、1人しかいませんから、頭割りになることはありません。当たり前ですけど・・・

 また、子どもが相続人の場合、非嫡出子(結婚していないときに生まれた子ども)の相続分が嫡出子の半分となってしまっています。これは、合理的な根拠の全くない規定ですので、早急に改正されることが必要です。私としては、非嫡出子差別は違憲だと思っています。

 

接見室不足

 多くの警察の留置所は、面会できる部屋が1つしかありません。京都では、2カ所あるところは、五条署と、伏見署管内の留置施設くらいです。

 昨年から、裁判員裁判の開始と同時に被疑者国選の対象罪名が拡大されました。そのため、捜査段階から弁護人が付くことが多くなってきています。被疑者段階の弁護活動の基本は、とにもかくにも接見ですから、接見室で他の弁護士等とバッティングするケースが増えてきています。

 今年12月には、京都で日弁連の国選弁護シンポジウムが開かれます。今年のテーマは、被疑者国選と言うことで、その中のごく一部のテーマとして接見室が足りているのかを調査もしています。

 アンケートを見ていると、2時間待ちや3時間待ちというケースもあります。これじゃ仕事にならない、と接見を諦めて帰ることにもなりかねません。近くの警察ならいいですけど、片道1時間もかけて接見に行ったのに1時間以上待てと言われると、これはつらい。留置場の就寝時間は、午後9時ですが、そんなことも言っていられません。

 実際、午後9時を回って接見に訪れることも多々あります。そんな時間に行っても、待たされることもありました。

 せめて、1つの留置施設(警察署)に接見室を2つ(以上)は欲しいですね。

相続人以外に財産を残したいけれど

 相続人以外に財産を残したいと思った場合、どのようにしたらいいのでしょうか。いろいろ悩まず、そう思ったときにあげる(贈与)のが一番手っ取り早いかもしれません。ただ、それなりに価値のあるものの場合、贈与税というものが掛かってきてしまいます。

 これを避けたい。

 さてどうするか。その旨を遺言に記載します。遺言によって、財産をあげる(遺贈)ことができます。ただ、相続人がいる場合に、その人の遺留分まで削り取ることはできません。

 例えば、夫婦別姓を貫くために、婚姻届を出していない、ないし子どもができたあと離婚届を出している(非嫡出子に対する不平等を避けるため)ような内縁の配偶者がいる場合や、特に世話になった子どもの配偶者等に財産を残したいと考えたときには、この方法をとった方がいいと思います。

 日本においてよく問題になるパターンとして、長男の嫁に世話になったが、長男が先に亡くなってしまった(その長男に子どもはいない)。二男や三男はいるが、家に寄りつこうともしないくせに、金ばかりせびりにくる。こんな時、そのまま亡くなってしまえば、相続人は、二男、三男だけですから、長男の嫁は、「相続」により財産を取得することができません。また、口約束では、簡単に裏切られますから、書面に残しておく必要もあるわけです。父が亡くなったあと、豹変する子どもたち、、、という悲しい姿は、相続が問題になると、結構いるようです。今のうちに対処しておくことをおすすめします。

 

ちょっとした手違いで、日の目を見ていなかった「かわら版」用の記事を見つけたので、登場してもらいます。

 ここからがその”没”になりかけていた記事

 先日、晩ご飯を目指して、家族で近所のファミレスに行った。全国どこにでもありそうな、地域性も何もない普通のお店である。
 案内されるままに席について、さて注文をしようとすると、隣の席がどうも騒がしい。小学生ばかりが集まっているような席で、親の姿は見えない。

(さらに…)

家事も大変

 普段仕事にかまけ、皆が寝静まってから帰る日が多くなると、どうしても家事を行うこと自体が減ってくる。
 家に帰り、鍵を開けようとすると、その「カチャッ」という音に、ワンワンとわんこだけが迎えてくれる(最近は、吠えてるだけで玄関までこないことも多くなってきている。こら!ずぼらするな!)。

 最近、あんまり家事分担をしてない(朝の洗い物くらいになってるかな)が、かみさんがぶっ倒れたりすると、たちまちやることが増える。

 わんこの散歩から帰って、洗濯機のスイッチを入れ、台所を片付けて、コーヒー飲んでたら洗濯機が「終わったでぇ~」とピーピー鳴る。
 さて干そうかとかごに入れると、カッターシャツや夏用スーツのパンツ(2パンツタイプで洗濯可)も入っている。
 干す前にアイロンを当ててしまわないとかえって手間がかかることになるので、アイロン台を持ち出す。適当な当て布が目に付かなかったので、薄手のタオルで代用、ついでにたまっていたシャツ2枚もアイロン当ててから、2階の物干し台へ。
 そこで、ハンガーが足らなかったり、紫外線で劣化した物干しばさみが折れていて使えなかったり(最近知ったけど、交換用の洗濯ばさみも売られているんですね)、アイロン当ててたらボタンが取れてるの発見したり、と何かやろうとすると、「あっこれもあった!」「あれもしないと」といろいろ出てきて、なかなか家を出られない。
 今回さすがにボタン付けまでは断念。

 普段から、新聞読んだり、ちょっと調べ物とかしてると、ついつい出発する時間が遅くなるが、さらに時間がかかってしまう(出勤したくない症候群か)。
 そんなときに、たとえば10時に弁論が入っていたりなんかするとさぁ大変。徒歩通勤を回避して、チャリで時間稼ぎをしなければならなくなる。雨なんか降ってたら最悪だ。

 家事の分担は、いろいろいわれるが、義務感でやるのはしんどい。
 専業主婦(夫)の方は大変だなぁと思う。
 次々やることが出てくるのに、やって当たり前、不十分なときだけ文句を言われる。文句言うなら自分でやれよ! と思うだろうな。

 これからは、何が起こるかわからない時代。扶養義務がどうしたこうしたはともかく、男女問わず家事能力はつけておかないと…。

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