1. ブログ マチベンの日々

ブログ マチベンの日々

年金者組合スキーツアー(白馬岩岳)

登山が趣味ですが、冬は、冬山には登らず、スキーが専らの趣味です。

夫と二人であちこちのスキー場に行っていましたが、

が亡くなってからは、シニアのスキーツアーに参加しています。

 

昨年知り合った名古屋の81歳の友人Sさん(女性)に誘われて、

先日、全日本年金者組合のスキーツアーに参加し、白馬岩岳スキー場で滑ってきました。

参加者の平均年齢は70歳を超えています。私など、若い方・・・

皆さんとても元気で、ハイスピードで滑っておられました。

81歳のSさんは2級検定にも合格されており、華麗な滑りでした。

 

 

 

 

こんなゼッケンを付けて滑りました。

親しげに声をかけてこられたり、「年金者組合って何?」と尋ねられたり・・・

 

 

年金者組合は、もちろん戦争反対です。

 

 

 

白馬岩岳スキー場のテラスからは、白馬三山を正面に望むことができます。

3日目にようやく白馬連峰が顔を出しました(三山全部は見えなかったけど)。

 

 

 

シニアの皆さんから、いっぱい「元気」をいただきました。

 

 

 

 

大雪が降った朝

昨日から今日にかけては、日本全国に10年ぶりの寒波が到来しているようです。

京都市内も昨日夕方から風が強くなり、雪が降り始めました。

 

今朝(1月25日)起きた時には、雪は止んでいました。

朝刊を読むと、京都市内は13㎝の積雪があったそうです。

朝の空気がひんやりして、こんな空気が好きです。

 

朝の事務所付近はこんな様子です。

 

 

 

事務所から見た外の景色です。ビルの壁からツララが下がっています。

 

立命館の「わだつみ像」

2023年1月23日付け京都新聞朝刊1面と23面に、大学紛争で破壊された初代の「わだつみ像」を、保管している学校法人立命館が常設展示の方向で公開をきめたという記事が掲載されていた。

 

「わだつみ像」は、1953年12月8日に立命館大学広小路キャンパスに建立された後、1969年5月20日大学紛争の最中に全共闘の一部学生によって破壊された。

 

「わだつみ像」とは何か?

1949年、全国の大学・専門学校出身の戦没学生の遺稿「きけわだつみのこえ」が刊行された。当時は30万部のベストセラーになったという。その印税を資金に、1950年9月に製作されたのが「わだつみ像」である。当初は東京大学に建立するはずであったが、紆余曲折を経て、立命館大学広小路キャンパスに建立されることになり、1953年12月8日除幕式が挙行され、学生の代表によって「不戦の誓い」が宣言された。

しかし、その像は、1969年5月に暴力学生によって破壊された。

 

1度は破壊された「わだつみ像」は、1976年5月20日再建立された。

当時、私は、京都大学の学生で、既に学生運動は下火になっていたが、学内にはまだヘルメットをかぶった学生がウロウロしている状態だった。

それまで「わだつみ像」の歴史など全く知らなかった私だったが、何かのきっかけでこの像と再建立のことを知り、いたく感銘を受けて、一人で、立命館衣笠キャンパスまで出掛けて行ったという記憶だけが残っている。

京都新聞を読んで、約50年も前の、そんなことを思い出した。

 

京都新聞の記事によると、初代の像は、頭部に穴が開き、腹部にはペンキで「死」の文字が落書きされ、また右肘や左大腿部の亀裂、左腕部の破損など当時の状態のままで倉庫で保管されてきたとのこと。

 

「新しい戦前」などと言われる現在、この初代のわだつみ像が公開される意義は、一層大きいと思う。

 

 

 

 

タモリ「来年は新しい戦前になる」

タレントのタモリが、2022年12月28日、昨年最後の「徹子の部屋」に出演し、黒柳徹子から「来年はどんな年になるんでしょうか?」と尋ねられ、「新しい戦前になるんじゃないですかね」と発言したそうだ。

 

まさに言い当てている。

 

昨年来、岸田政権は、軍事費の大幅増額(5年で43兆円)や「敵基地攻撃能力」を保有すると宣言、「戦争への国づくり」と着々と進めている。大学などの研究機関にも軍事・防衛関係の費用を拠出して大学を取り込もうとしている。マスコミ自身は早くから政権に取り込まれ、その追及姿勢は極めて弱い。

 

そもそも、「敵基地攻撃能力」と保有したとしても、それで「攻撃されない」保証など全くない。しかもアメリカの戦争に日本が巻き込まれてしまうのである。

攻撃しようとする国には、高い攻撃能力を持った国はいくらでもある。戦争になれば、日本が戦火にまみれることは明らか。

軍備より、もっともっと外交努力を尽くすべきである。

 

「新しい戦前」にするかしないかは、私たち国民一人が決めること。

岸田政権の暴挙を許さず、今年こそ平和を最大限追及する年にしていきたい。

 

新年初登山は金華山

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 

年末年始は郷里の岐阜に帰省しました。

天候も良さそうでしたので、今回は、帰省中に久しぶりに金華山(329m)に登ってみようと決めて、京都を出ました。

 

2023年1月1日、雑煮を食べた後、いとこと二人で金華山に登ることにしました。

私の記憶では、金華山に登るのは小学校の時以来です。

10の登山道があるようですが、いとこが「七曲り登山道」からしか登ったことがないと言うので、今回はその「七曲り登山道」から登ることにしました。

 

 

「七曲り登山道」は家族向けのコースで、京都の愛宕山で言えば、表参道みたいな整備された道でした。

最後はずっと長い階段が続き、あまり面白いコースではありません。

金華山は大文字山(465m)より低いので楽勝かと思いきや、最後の階段上りで疲れました。

ちなみに、金華山が低山だからと言ってバカにしてはいけません。どのコースかはわかりませんが、昨年8月大学生2人が遭難しています。

 

やっと岐阜城に到着。ご存知のとおり、岐阜城は、斎藤道三や織田信長の居城でした。

 

 

 

 

金華山山頂の標。

 

 

岐阜市街の展望も素晴らしい!

 

下山は、「百曲登山道」を下ることにしました。

 

「百曲登山道」の方が階段もほとんどなく、山道らしくて、面白かったです。

 

岐阜公園から望む岐阜城。

 

本当に久しぶりに金華山に登って、やはり金華山は短時間で登れるし、展望もあり、岐阜市内を象徴する山やなあと思いました。

これからは、年末年始に帰省した時には、必ず登ろうと思いました。

 

 

 

 

今年1年お世話になりました

とうとう大晦日になってしまいました。

今年1年お世話になり、有り難うございました。

 

12月29日に来客があったので、掃除(小掃除ですが)はその日の朝に済ませました。

30日は午前中快晴で、今年の「山登り納め」として、大文字山に登りました。山頂で、買って来たパンを食べましたが、風が冷たく、早々に下山しました。

 

下山後、久々に、哲学の道にほど近い法然院に立ち寄りました。

細胞生物学者で歌人の永田和宏さんが、2022年9月、妻で歌人の河野裕子さんの13回忌を機に、法然院に墓を建てお骨の一部を収めたという新聞記事を読んだので、行ってみようと思いました。法然院には、想像していたよりたくさんのお墓があったので、見つけられないかもと思いましたが、ありました。

 

 

帰宅して、切り抜いていた新聞記事を読み返すと、永田さんは、法然院の参道に二人が詠んだ自筆の相聞歌が刻まれた歌碑も建てられたようで、これは来年、大文字山に登った時にまた見に来ることにしようと思いました。

 

その後、歩いて岡崎神社に行きました。割と近くの神社なのに、何十年も京都に住んでいてこれまで1度も来たことがありませんでした。ここは兎の神社だとテレビで放映されていたので知りました。既にたくさんの参拝客であふれていました。

 

 

 

 

 

来年もよろしくお願い申し上げます。

 

 

2022年9月2日付け当ブログで、作家宇野碧さんの小説「レペゼン母」を紹介したが、その宇野さんの母親柴田野苺さんに会いに、本州最南端の町、和歌山県串本に行ってきた。

串本は数十年ぶりの来訪である。

 

野苺さんは、私の中学時代の友人Mちゃんの、高校・大学(音楽大学)時代を通じての友達。

だから、年齢も同じで、生まれも同じ岐阜出身である。

21年前に串本に移住し、ここで、自給自足を目指す活動、福島を支援する活動など多種多様な取り組みをされているとのこと。Mちゃんから野苺さんのことを聞いて、どんな女性なのか1度会ってみたいと思っていた。

 

11月初め、Mちゃんから、野苺さんが12月11日にミニライブをするという連絡をもらったので、一緒に串本に行くことにした。野苺さんに会えること、Mちゃんと初めて二人で旅行することにワクワク。

 

Mちゃんとは新大阪駅で待ち合わせ、午前9時半発の特急くろしおに乗り、午後1時前に串本駅に到着。とにかく遠い!東京より遠い。

野苺さんの下の娘さんが経営する、「なんたん屋」というカフェが会場。上の娘さんの作家宇野さんも手伝いに来られていた。

 

 

 

 

昼食がまだだったので、早速、ランチを注文する。

 

 

野苺さんのミニライブは、福島支援として、毎年福島の子どもたちを串本に招く活動のチャリティーライブ。

野苺さんは、高校・大学では声楽を専攻し、ミュージカル女優になりたかったとのこと。

電子ピアノを弾きながら、パフォーマンスも交えながら歌う。自身で作詞作曲された歌やミュージカルメドレーなど。

慣れたものである。声量もあり、同じ年とは思えない声。さすが!

 

 

第二部は、同じ串本移住者のキミさんも加わる。

 

 

最後は、友人Mちゃんのオカリナ演奏も。素敵だった。

 

夜は、野苺さんも一緒に、串本の魚料理の店で魚づくし料理を堪能した。

岐阜のような保守的な町で、なぜ野苺さんのように自由な人間が育ったのか、その片鱗が少しわかったような気がした。

 

 

NHK夜ドラ「作りたい女と食べたい女」

最近、NHKで、毎夜午後10時45分から午後11時までの15分間放映されている「作りたい女と食べたい女」を観ている。

原作はアニメだそうだが、マンションの同じ階に住む「作りたい女」の野本さんと「食べたい女」の春日さんの二人が出会い、料理を一緒に作ったり、食べたりするドラマだ。

二人の関係は、恋愛に発展するらしいが、料理の場面が多く、ストーリーも淡々と流れていき、料理好きな私が寝る前に観るテレビドラマとしてはちょうどいい。

 

このドラマの中で、確か初回放映だったか、「食べたい女」の春日さんが、食堂で定食を食べる場面がある。お茶碗にご飯が盛られるのだが、春日さんが女性ということで、ご飯が当然のように少なく盛られている。怒った春日さんは、店主に文句を言い、普通盛りに交換してもらう。

 

この場面を観て、ふと、若い頃のことを思い出した。

大学1年の頃、下宿では自炊ができず、平日はほとんど生協の食堂を利用していたが、休日は近くの食堂に食べに出掛けていた。

若さもあって食欲は旺盛。出された食事はすべて綺麗にたいらげていたので、店の人から「こんなに綺麗に全部食べてもらって、作りがいがある」などと褒められたこともあった。

 

ある日、初めて入った食堂で出されたご飯は男性より少なめだった。同じ値段を払っているのに「おかしい!」「男女差別や!」「残されるのが嫌なら、聞けばいいでしょ!」と内心思った。

でも、その頃は、春日さんのように文句を言う勇気もなく、その店には2度と行くことはなかった。

 

食べ物の恨みは恐い・・・という格言(?)もあったっけ?

 

 

 

軍隊を持たない国コスタリカ

昨夜(2022年11月27日)のサッカーW杯カタール大会での、日本vsコスタリカ戦は、0:1という残念な結果となった。ドイツ戦に勝利しただけに、落胆感は強い。でも、次を目指して頑張ってほしい。

 

ところで、コスタリカは、中南米にある共和制国家で、人口は約500万人。

そして私たち法律家の間では、「軍隊を持たない国」として有名である。

 

戦争をしないという平和憲法がある点では日本と同じだが、コスタリカは日本の自衛隊のような組織もないのである。

1949年から憲法で常備軍を廃止し、軍事予算をゼロにした分は、教育や医療に振り向けられた。内線という悲しい過去から、すべての軍事費用を教育に充てる方が幸せになれるという考えからだ。戦争をしないばかりか、米国の基地設置を拒否し、警察官が銃を持たないなど、徹底して平和を守っている。

更にコスタリカは、1983年に積極的永世非武装中立を宣言。近隣国の紛争終結を仲介して1987年にノーベル平和賞を受賞したオスカル・アリアス元大統領は、「無防備こそ最大の防御です」と強調する。

「侵略されない努力をずっとしてきていること」「周辺の国からも平和の国としてみとめられていること」などを理由に、国民は、戦争を仕掛けられることはないと自信を持って暮らしている。

 

一方、同じ平和憲法を持つ日本における現政府は、今、ロシアのウクライナ侵攻などで危機感をあおり、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有や大軍拡計画によって防衛予算を膨大化させ、それを国民に対する増税でまかなおうとしてる。そして、教育・医療・福祉など、国民にとって重要かつ基本的な政策がどんどん改悪されている。

 

私たちは、コスタリカに学び、もう1度、戦争を放棄した平和憲法の持つ意味を考える必要がある。

 

 

 

 

 

「人間の証明」(森村誠一 著)の旅

田中陽希さんの日本300名山人力踏破のテレビ番組を観て、群馬県にある、まるで軍艦のような山容の荒船山(1423m、日本200名山)に登ってみたくなり、山仲間4人で11月5~7日、群馬県を旅した。

 

いつも登山計画を立ててくれるA弁護士から、11月6日荒船山下山後に、森村誠一の小説「人間の証明」の舞台の1つとなった霧積温泉(きりづみおんせん)の金湯館(きんとうかん)に泊まる計画を立てたとの連絡が来た。

 

小説「人間の証明」は、昭和52年初版で、映画やテレビドラマにもなった作品である。

作品のモチーフとなった西条八十の詩はあまりにも有名である。

 

母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?

ええ、夏碓氷から霧積へいくみちで、

渓谷に落としたあの麦藁帽子ですよ・・・

 

 

 

私も大学生の頃に読んだことがあったが、「霧積温泉の金湯館」なんて出てきたかな?とほとんど忘れている状態であった。

そこで、古い文庫本を出してきて、読み直して旅にそなえた。

さすが、森村誠一の小説は、1度読んだものでも面白い。どんどん読み進み、まる1日で読み終えた。確かに、「霧積温泉の金湯館」はストーリーの重要な舞台の1つだった。

 

「霧積温泉の金湯館」は、電車では信越線の横川駅で下車。そこから霧積までは歩くと4時間くらいはかかるらしい。

金湯館には一般車は入れないので、山の中のヘアピンカーブを何度も反復した先にある無料駐車場に車を駐車して宿の車で迎えに来てもらうか、駐車場から約30分の山道を歩いて登っていくしかない。

私たちは、神奈川のN弁護士の車に乗り、午後5時を過ぎて日もとっぷり暮れた暗闇の中のヘアピンカーブを走行し、駐車場で宿の送迎車に乗り換えた。

金湯館は山小屋の趣を残す宿だった。

 

 

霧積温泉は、古くから湯治場として知られ、明治21年の開発以後は、多数の別荘や商店などが開業し、明治の政界人・文士・外国人などが人力車で来遊したと言われ、一時期大発展したそうである。

伊藤博文が明治憲法を起草するため宿泊したことがあり、その部屋には今も泊まることができる。

作家森村誠一は、大学3年生の時、山道を歩いて金湯館までたどりついて1泊し、翌朝、鼻曲山(はなまがりやま、1654m)という山を通って浅間高原に抜けた。森村は、鼻曲山の手前で宿が用意してくれたおにぎり弁当を食べたが、その包み紙に刷られていたのが、冒頭の「麦わら帽子」の詩であった。

その詩に激しく感動した森村は、20数年後、その詩をモチーフにして代表作「人間の証明」を執筆するに至ったのであった。

 

翌日、私たちは、森村が浅間高原に抜けるために通過したという鼻曲山に登った

 

 

 

当初11月7日は妙義山(表)に登る予定であったが、旅の前日の11月4日、A弁護士から急遽「鼻曲山に変更する」という連絡が入った。

こんな機会でもない限り、鼻曲山に登ることはないから、という理由だった。

A弁護士は森村誠一と「人間の証明」の世界にどっぷりと浸りたかったに違いない。

 

霧積温泉は10月末頃が紅葉の見頃らしいが、登山口に近い登山道脇には、まるで錦絵のような美しい紅葉の樹林が広がっていた。

 

 

鼻曲山山頂では、森村と同じように、宿で作ってもらったおにぎり弁当を食べた。

そして包み紙には今でも西条八十の「麦藁帽子」の詩が印刷されていた。

 

 

次に金湯館を訪れる機会があれば、伊藤博文が明治憲法を起草した部屋に泊まり、西条八十が帽子を落とした渓谷のある場所まで行ってみようなどと話しながら、霧積温泉をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

土曜日午後10時からNHKで放映されているドラマ「一橋桐子の犯罪日記」。

毎週楽しく観ているが、今週土曜日(11月5日)でもう最終回らしい。

 

かつて恋愛ドラマのヒロインだった女優松阪慶子が、太った体格と年齢を生かし(?)、コミカルに老女「一橋桐子」を演じている。

同居していた友人が亡くなり、家賃も支払えなくなった桐子は、家賃はタダで三食付きの刑務所に入りたいと考え、様々な「犯罪」に挑んで「ムショ活」するというストーリー。

桐子のような独居老人が置かれている状況は、単にドラマの世界だけではなく、現実だ。

 

そして、生活が苦しく、刑務所に入りたくて犯罪を犯すというのも現実に存在する。

 

かつて国選の刑事事件で、万引きをした初老の男性の弁護をしたことがある。

スーパーで数百円の品物を万引きしたということで逮捕勾留され起訴された。彼には前科がいくつかあった。

彼は、仕事をクビになり、刑務所に入りたいと今回万引きをしたと語った。

 

刑事裁判では、保護観察付き執行猶予という判決だったので、生活保護という制度があることを説明し、保護観察所まで送っていった。その時は、立ち直ると約束してくれた。

しかし数年後、彼がまた万引きで検挙され裁判になったと、その時に国選弁護を担当してくれた弁護士から連絡を受けた。彼は実刑となった。

 

刑務所内の受刑者の高齢化も深刻とのこと。

これが今の日本社会の現実である。

 

 

容認できない「マイナ保険証」

政府は、2022年10月、健康保険証を2年後に廃止して、マイナンバーカードに切り替えるとの方針を発表した。

新聞各紙は、一斉に、この「マイナ保険証」は「事実上の義務化」だと報じた。

 

マイナンバーカードは、本人の申請によって交付されるもので、法律上は任意である(17条1項)。

仮に、岸田首相が言うように、カードを持たない人には健康保険証に変わる何かが出来ても、カードの有無によって医療費の金額が異なるようなことになれば、それこそ事実上の強制であり、法の下の平等にも反する。

 

このように政府が強硬的な政策をとるのは、6年かけて、そして2万円ものマイナポイントを付与するとしても、やっと5割にしか普及していないという事実が背景にある。逆に言えば、ポイントという「エサ」で釣っても、5割にしか達しなかったのである。

 

そもそもなぜ普及が進まないかを考えるべきである。

私たちの行動履歴情報などの個人情報を国に把握されたくないという意識のほかに、個人情報漏洩に対して心配や危惧する声が大きい。

政府の個人情報保護委員会が2021年度分の管理状況の報告を2022年10月にまとめたところ、約45%の自治体が業務委託をしており、マイナンバー管理の不備が目立ったという(2022年10月30日付け朝日新聞朝刊)。また、委託業務のうち20%が別の会社に再委託されていることもわかった。更に、今年6月には、委託業者が発注者とは別の自治体にデータを納品したという「重大事案」ケースも発生している。自治体が個人データを誤送付したり、第三者が閲覧できる状態にしたりしていた例もあった。

これでは国民は安心してマイナンバーカードなど作成できない。

 

マイナンバーカードが出来た当初は、秘密とすべきものとされ、保険証などのように日常的に持ち歩くことなど全く念頭に置かれていなかったはずである。

 

「マイナ保険証」など断じて容認できない。

 

 

 

 

 

 

さて、皆さんは、以下の質問に答えることができますか?

「世界中の貿易は何割が海を通っているか?」

「なぜ、ドルは世界中で使われるのか?」

「スマホで外国にメッセージを送る時、そのデータはどこを通っていくか?」

「ソ連は最強のスパイ組織があったのに、なぜ崩壊したのか?」

「経済成長とは何か?」

「核ミサイルはどこにあるのか?」

「なぜ、アフリカは貧しいのか」・・・

 

京都在住の料理研究家の大原千鶴さんが、2022年9月16日付け京都新聞夕刊の「現代のことば」で「13歳からの地政学」という本について書かれていた。

なんでもベストセラーになっているようで、確かに、書店に行くと平積みされており、興味を持ったので買って読んでみた。

 

私にとっては、「地政学」という学問は耳慣れない言葉だった。

ネットで調べてみると、「国際政治を考察するにあたって、その地理的条件を重視する学問」とあった。大学では教えていないが、最近、「地政学」の本は流行になっているらしい。

 

高校1年生の兄「大樹」と中学1年生の妹「杏」が、アンティークショップの店主「カイゾク」から、夏休みの7日間だけ地政学についての話を聞き、最終日にカイゾクの出す問題に答えられたら、アメリカ歴代大統領が使っていたと同じ地球儀をくれる、という小説仕立てのストーリー。

 

タイトルのとおり子ども向けに書かれてあるので、世界で起こっている様々な出来事や情勢などについて、とてもわかりやすく書かれていた。

国際政治に不勉強な私にも、「なるほど」と思ったことがたくさんあった。

 

そして、7日間の勉強の終盤には、

差別やいじめ、争いをなくすには、好奇心と勇気をもって自分と違うタイプの人と交流する。それによって、自分のかたよった考え方や、知らないことを減らしていく。自分と見た目や育ちが違う人たちへの興味を持ち、敬意を持つ。

このような姿勢が大切であることを「カイゾク」は語る。

 

この本はロシアのウクライナ侵攻が始まる前に書かれている。

ウクライナ戦争が始まって以降、自民党は、敵のミサイル拠点などを攻撃する「敵基地攻撃能力」を言い換えた「反撃能力」を自衛隊が保有するよう政府に提言し、岸田内閣もこれに前向きという。

しかし、この本を読んで、戦争をなくすには、粘り強い対話と外交努力が必要であることをあらためて強く感じた。

それと、地球儀は、小学生の時に学校で作ったことがあったが、もう1度欲しいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京セラ美術館「昭和美術会展」へ

台風15号の影響か、雨が降る中、京セラ美術館へ。

「第46回 昭和美術会展」を見に。

 

 

友人である内野光子さんが出展され、しかも、会友奨励賞という賞を受賞。

 

これが内野さんの作品「祈りは空へ」。

 

 

ドイツの街とのこと。塔と雲と街並みがとてもマッチして、静けさが伝わってくる。

この絵は、水彩画や油絵ではなく、日本画とのこと。

 

内野さんは、仕事を退職してから絵の学校などに行って学ばれた。

いくつになっても、努力すれば、才能は開花するんやなあ。

 

いまだに現金払いはなぜ?

2022年9月15日付け毎日新聞夕刊の「発言小町」の欄に、「いまだに現金払いの人なぜ」というテーマで様々な人の発言が掲載されていた。

 

掲載されていた「発言」は、

・単純にお金が好き

・スマホに頼ることに不安がある

・友人と精算する場合、現金の方が簡単

・子どもの学校関係などで細かいお金が必要

・家族に使い道を知られたくない

・クレジットカードは暗証番号や使った金額を管理する必要があり、不正利用にも警戒。

などなど。

 

何を隠そう、私も基本的には現金払い派。

アナログ人間やからね。

不正利用や通信障害、ハッキングも恐い。

 

現金払いとは関係ないが、7月に登山ツアー(現地集合、現地解散)に参加した時の帰りのこと。山頂で、駅に着くのが遅くなることが予想され、下山後、予定されていた時間に合わせた電車に乗れないことが判明した。しかし、その日、あのKDDIの通信障害が発生しており、auで帰りの切符を予約していた人たちはスマホで時間変更することができなかった。

(もちろん私は帰りの電車の切符の予約はしていなかった)

スマホだけに頼っていると、こんなことも起こる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハリオ製土鍋で、ツヤツヤつやごはん

これまで炊飯器でしか、ごはんを炊いたことがなかった。

ずっと以前から土鍋でごはんを炊いてみたいと思ってはいた。

でも炊飯器であれば、スイッチをいれさえすれば音で炊き上がりを教えてくれるが、土鍋だと火加減が難しく、ずっとコンロの側についていなくてはならないのではないかなどと思い、なかなか変えることができなかった。

 

今年初め、スキーツアーに参加した時、たまたま同室になった女性がハリオ製の土鍋を使っていてごはんがとても美味しく炊けると教えてくれた。

それを聞いた後も、どの土鍋がいいか調べたりして、なかなか購入には至らなかったが、今月、とうとう、思い切って、そのハリオ製土鍋(1~2合炊き)を購入した。

「フタがガラスのご飯釜」で、土鍋部分は蓄熱性の高い萬古焼、ふたは耐熱ガラス製で、ブクブクと泡を立ててお米を炊いている様子が見えるようになっている。

 

土鍋の内側に1合と2合の水の線も入っている。

使い方は簡単。

気に入ったのは火加減が不要なこと。中火で7~15分で、笛吹きやかんの笛のような音がする(はず)。ただ、説明書に「音が鳴らない場合もある」と書いてあり、私が買った物はやかんほど大きな音はしないが、かすかに音が鳴る。

音が鳴り始めて更に1分炊いて、火を止める。

蒸らしは15分。

こげもなく、ムラなくふっくらツヤツヤの炊きたてごはんが出来上がっている。

もちろん味も申し分なし。

 

食も一層進む。「土鍋でごはん」はオススメである。

 

 

 

 

 

 

 

 

兵庫県の緩和ケア医関本剛医師のことは、当ブログでこれまで2回書かせてもらった(2021年5月3日付けと2022年5月11日付け)。

 

私は、2021年5月3日兵庫県弁護士会が主催した憲法記念日記念行事で、関本医師の講演をZOOMで聴いた。

そして、本年4月、45歳の若さで亡くなられたことを知った。

 

yahooニュースで、今、関本医師の葬儀で流された、ご本人の「別れのあいさつ」をYOUTUBEで見ることがこでることを知った。既に200万回再生されているとのこと。

 

肺がんの脳転移がわかったのが2019年10月7日。その約1年後の2020年10月10日に撮影されたのが「別れのあいさつ」で、通夜や葬儀でこの映像が流されたという。

静かに、そして淡々と語っておられるが、死を覚悟し、最期の最期まできちんと準備をされているのは、なんと強い精神力だろう。

人柄が偲ばれる映像だった。

 

 

 

 

 

 

 

2022年9月8日と9日の2日間にわたって、京都弁護士会では、法律相談委託団体担当者の研修会が開催されました。

 

主に、京都府下の各市、京都市内の区役所、各市の男女共同参画センターなど行政関係の法律相談担当窓口の職員が対象の研修会です。

 

弁護士会は、週に1回あるいは月に1回など、弁護士を自治体などに派遣して無料法律相談を行っていますが、弁護士が行政の窓口に常駐しているわけではありませんので、日々の対応は相談担当窓口の職員の方になります。

府市民から日々寄せられる相談に対応するだけでなく、それが行政が対応すべき相談なのか、法律相談なのか、他の専門機関に委ねるべき相談なのかなどを振り分けも求められ、大変な仕事だと思います。

 

今回、弁護士会が行った研修の講義は、1日目は、民事法律扶助制度(いわゆる法テラス)、相隣関係に関する問題、多重債務に関する問題の3講義で、2日目は、離婚に関する問題でした。

 

私は、「離婚に関する問題」の講義を担当しました。

大半の参加者はオンライン配信による参加だったので、反応はよくわかりませんでしたが、会場に直接来られた方は熱心に聞いてくださいました。

 

私は、自治体の男女共同参画センターの女性相談を担当することが多いのですが、担当者の方々が法律相談の予約を受ける際に、相談者に心の悩みなどがあるような場合などには、時間をかけて話を聞いて、それに応じた対応をされています。

また、弁護士が相談日に赴いても予約が入っていない時間帯もあります。そんな空き時間があるような場合には、職員の方から担当されている事案の法律的なアドバイスを求められることもあります。熱心に勉強されていると思います。

 

職員の皆さんは、弁護士が法律相談日にやって来たら、もっと気軽に声をかけて、日頃の疑問を尋ねてほしいと思います。

 

 

 

「時計」考

今朝(2022年9月9日)の京都新聞朝刊1面と13面にこんな記事が載っていた。

「高級時計人気 ”バブル越え”」

なんでも、京都市内の百貨店で高級腕時計の人気が過熱し、バブル期を越える売り上げが続く店舗もあり、300万~500万円の製品がよく売れているとのこと。

 

このような高級時計を買い求める人は、時計は時間を確認するためではなく、ファッションやアクセサリーの一部なんだろう。

「経済格差の象徴そのものや」と思った。

 

私が腕時計を使わなくなったのは、いつ頃からだろう。

結構、時間には正確な性格なのだが、次第に腕に時計を装着している時の感覚が嫌いになり、電池が切れたことを機に、時間は携帯電話で確認するようになった。

事務所や自宅では壁の時計や置き時計で時間を確認できるし、法廷にも時計はある。

たまに携帯電話を携帯し忘れて、しまった!と思うことはあるが・・・

 

そう言えば、以前、利用者の少ない駅などで、時計を撤去する作業をJR東日本が進めているという新聞記事を読んだことがあった(2022年5月29日付け毎日新聞朝刊)。

管内全体の約3割にあたる約500駅を対象とし、10年程度で撤去する計画という。経費節減が理由。年間3億円程度の節約効果があるらしい。

しかし、「消えた時計」は地域に波紋を広げており、市議会が再設置を求めて決議したりJRに見直しを要請しているところもある。

 

時間を確認するため、携帯電話やスマホをいちいち取り出し確認するのは面倒。荷物が多ければなおさらだ。それらを持っていない子どもたちや老人もいる。

電車の発着は時間が命。

駅の時計だけは撤去しないでほしい。

 

 

 

 

 

 

宇野碧作「レペゼン母」を読んで

誕生日に、中学時代の友人Mちゃんから、本が送られてきた。

それが、宇野碧(うの あおい)作「レペゼン母」。

なんでも、作者の碧さんは、Mちゃんの高校時代の友人(和歌山在住)の娘さんとのこと。

この作品は、第16回小説現代長編新人賞を受賞している。

 

物語の軸は、ヒップホップ。主人公は深見明子という64歳のおかん。

ヒップホップと言っても、ダンスの方ではなく、ラッパー同士が即興のラップで相手を「ディス」り合う、つまり罵倒し合う、ラップバトルで、MCバトルともいう。

ダンス好きな私は、50代の頃5年ほど、ストリートダンスを習ったことがあり、そこで初めてダンスバトルという「試合」があることを知ったが、ラップバトルというものもあることをこの小説で初めて知った。

 

「レペゼン」という言葉もわからなかった。

ネットで検索すると、「represent」(代表する)の略で、ヒップホップ用語。「俺は京都を代表してここにきた」「俺は京都を仕切っている」というように使うらしい。

 

ストーリーは・・・

明子は夫を亡くし、1人で和歌山で梅農家を営む64歳。

息子の雄大は、家を飛び出し3年以上行方不明のままで音信不通。明子は、息子の再婚相手沙羅と二人暮らし。沙羅はMCバトルに命をかけており、明子も練習につきあったりしていた。

そんな折り、雄大が大麻取締法違反で逮捕とされたとの連絡が入る。面会に言った明子に対し、雄大はMCバトルの香川代表になったので保釈金を出してほしいとあつかましい要求をする。

拒否した明子だったが、考えが変わり、明子も特別枠で雄大が出場する同じバトルに出場することに。

母と息子の対戦はいかに・・・

 

64歳でMCバトルに出場するおかんなんて、とても素敵。

きっと、碧さんの母親も明子に似たような人なんやろうな、と思わず想像してしまった。

MCバトルというなじみのない世界が描かれていたが、親の気持ち・子どもの気持ちのスレ違い、親子・家族とは何か、言葉で語ることの大切さ、そしてジェンダー平等などを考えさせる、とても面白い作品だった。

 

月別アーカイブ

弁護士紹介TOP