久し振りに、本(ノンフィクション)を読んで感動して泣いた。「エンド・オブ・ライフ」
著者の佐々涼子さんは、2012年「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」で第10回ノンフィクション賞を受賞した。当時、この作品も読んでみたいと思っていたが、いまだ、読めずにいる。
「エンド・オブ・ライフ」は、思いがけず、京都が舞台だった。
訪問看護を行う渡辺西賀茂診療所で働く40代の男性看護師が、2018年⒏月、末期のすい臓癌の宣告を受けた。
彼は、自身の「命の閉じ方」を看護の教科書として使おうと思いつき、旧知のライターである著者佐々さんに執筆を依頼する。
この作品に盛られた内容は、知識の「教科書」ではなく、死にゆく人間とその家族の姿や思いがまるで映像のように語られた、生きた「教科書」だと思った。
それと共に、人との出会いがいかに貴重なものか・・・
「人は生きていたように死んでいく」
本の中で何度か語られるこの言葉のように、「命の閉じ方」も出会いもまた、自分がこれまで生きてきた人生が反映するのだろうか。
自分、家族、そして愛する人の死を考える時、是非読んでみてほしい1冊である。